⇒ 本来ならリアクションホイール3個で姿勢制御だけど、1個故障
⇒ ホイール残り2個と化学スラスタで制御
(ここまでは普通の「こんなこともあろうかと」、な範囲)
⇒ ホイールさらに1個壊れた!化学スラスタ全損!燃料全部漏れた!
漏れた燃料が機体内で凍ってる!!通信途絶!!!
バッテリも壊れて太陽電池パネルは常に太陽を向けなきゃなんない!!!
⇒ 姿勢が狂っても、ほっとけば持ち直すように設計してたんだよね。
こんなこともあろうかと。
1年以内に60%の確率で通信回復するはず。(数ヵ月後)ほうら3ヶ月で繋がったぜ!
⇒ とりあえずイオンエンジンの中和器から生キセノン吹かして姿勢制御。
こんなこともあろうと中和器の向きを微妙にずらしてたんだよね。
⇒ 機体内をヒーターで暖めてベーキング。爆発しないようにゆっくりとね。
気化した燃料はそのうち機体外に逃げるだろう。
⇒ 生キセノン吹かしつづけてると地球帰還用の燃料が足らなくね?
あ、風車の原理で太陽光圧を利用して回転させて安定させればよくね?
こんなこともあろうかと、回転軸が機体の中心を貫くように設計してたんだよ。
⇒ 地球帰還用のカプセルに採取した試料を入れるにはバッテリーの電力が必要だなぁ。
でも極低温で短絡故障(ショート)してるから下手に充電すると爆発しそうだなぁ。
⇒あ、古河電工のおっちゃんが補充電回路で充電する裏技教えてくれた。
電源オンオフを高速連打すれば良かったんだ、ラッキー。
⇒ よし、地球帰還航行開始っと。イオンエンジンは3基生きてるからオッケー。
ホイールは残り1個だから今のうちに何かいい手を考えておこうっと。
⇒ 地球帰還第一期軌道変換完了。半年お休みして、第二期軌道変換開始。
イオンエンジンBはどうやら寿命らしい。お疲れさん。残り2基。
⇒ おや、メモリエラー(SEU)か。良くある良くある。とりあえずセーフホールドモードで指示待ちっと。
地球から診断してもらってイオンエンジンも再起動出来たので巡航再開。
⇒ 「はやぶさ」イオンエンジン1基に異常」 っっっっきゃーーーっ!残りエンジン1基じゃ推進力足らないっ!
⇒ スラスタAの中和器とスラスタBのイオン源を組み合せることで、2台合わせて1台の
エンジン相当の推進力を得ることができるじゃん。 ←いまここ
すごいですね。
これだけ壊れても対応策がどんどん出てきて、実際にそれを実現して
ミッションを達成する為に必要な状況に持っていけているところが、なんとも言えない。
作るときにほんとあらゆる可能性が考え尽くされてるというべきなのかな。
@TEA
あらゆる事を想定しての設計運用だとは思いますが、
明らかに異常な世界に突入してる気もします。